当社のはじまりは、私の曾祖母の時代に遡ります。当時は多くの農家が数頭ずつ豚を飼っていた時代で、曾祖母が飼っていた雄豚を農家に連れて行って、種付けをしてまわるという仕事をしていたそうです。そして祖父の時代の昭和28年、会社として創業となりました。当初は家族労働を中心としていましたが、現会長である父の時代から徐々に規模を拡大し、現在では養豚専門企業として国産豚肉のおよそ2%を生産する、国内有数の規模へと成長してまいりました。
そして、平成から「令和」へ。新たな時代が始まりました。
時代が変わっても、当社の基本的な想いは一貫しています。
当社の理念は、豚と人と環境にやさしく、「世界一キレイでカッコイイ養豚」を実現すること。「スリーサイト方式」や「オールイン・オールアウト」など、豚が病気になりにくい生産システム。人間の勘に頼った管理や単純肉体労働からの脱却、センサーによる自動温度管理や、機械動力による給餌・除糞の自動化。人や豚の動線、働きやすさを考え、豚にストレスをかけない豚舎設備と飼養管理。環境問題をしっかりとクリアするための万全の糞尿処理方式、臭気対策。世界の情報を精力的に集め、どんどん進化していく遺伝、栄養学、飼養管理技術などを取り入れてきました。さらに、日本の強みである製造業からもヒントを得ながら、業界に先駆けて5S活動を取り入れ、それが他国の同業者へも広がっています。こうしたシステムや技術の導入により、当社の農場は「養豚場に見えない」と言われるまでのレベルに達してきました。
当社はこれからも、より高い品質の豚肉をより低いコストで生産し、その豚肉を安定的にお取引先さま・お客さまに供給するため、今後もどんどん進化する最新技術を取り入れ、科学に基づいた緻密な養豚を進めてまいります。
当社の本社がある群馬県は畜産の盛んな県であり、農業・畜産業の中で生産高が最も大きいのが養豚です。当社は群馬県内の最大の養豚企業として、また70年近くにわたって地元の基幹産業に携わる企業として、プライドと責任を持って事業に取り組んでまいります。
そして私たちの事業価値とは、「豚肉を通じて世の中に幸せを提供すること」です。美味しいものを食べているとき、人は幸せを感じるものだと思います。美味しい豚肉を食べた人は、きっと幸せを感じるでしょう。私たちが作っているのは、幸せの源です。私たちは、世界一安全で、おいしい豚肉をつくることによって、世の中に幸せを提供できると信じます。
世の中に幸せを提供するためには、そこで働く社員も幸せでなければなりません。農業・畜産業は、一般的には重労働で休みが少ないイメージかもしれませんが、当社は完全週休2日制や省力化などの仕事環境を整えてきたことによって、たくさんの素晴らしい人財が集まり、活躍しています。女性社員比率は3割にのぼります。当社の社員には、大卒も高卒も中途採用も、外国人も、高齢者も、障がいを持っている方もいます。性別、学歴、経歴、国籍、年齢、障がいの有無を問わず、「誰でもどこかに活躍できる場所があるはずだ」というのが私の信念です。そして、当社で働く社員が仕事に誇りを持ち、永く働き続け、胸を張って自慢できる会社にしたい、と考えています。